
それではコーヒーはなぜ胃に悪いのでしょうか。
これはコーヒーに含まれているカフェインが腸に入って吸収されると、迷走神経が刺激され、胃液の分泌が盛んになるためです。
空腹の時に濃いコーヒーを飲むのは最悪のパターンです。
どうしても飲みたい人は、できるだけ薄いコーヒーにすること、空腹時を避けること、そして一日二〜三杯程度にすることです。
アルコールも胃によくないといわれます。
アルコールは胃液の分泌を促進しますし、また強いアルコールは直接胃の粘膜を攻撃します。
ウイスキーなどの強いお酒をストレートで飲むことは非常に危険な行為です。
いずれにしても胃にやさしい生活が大切です。
それには、ストレスを上手に解消させることも大切ですし、暴飲暴食をせず規則正しい食生活をすることや、ゆっくりよく噛んで、腹八分目にするなど、胃に対して思いやりを持った食生活をすることも大切なことです。
次に、アルコールと肝炎についてお話しします。
沈黙の臓器といわれ、もくもくと働いている肝臓もアルコールとはあまり相性はよくないようです。
体内に吸収されたアルコールは、門脈という血管を通って肝臓に集められ、最終的には炭酸ガスと水に分解されるわけですが、分解作業の段階でまずアルコールはアセトアルデヒドという物質になり、さらに酢酸となり、ついには炭酸ガスと水になるわけです。
肝臓のアルコール処理能力は、分かり易くいうと、日本酒で二合、ウイスキーでシングル四杯、ビールで大瓶二本程度の量で、この範囲内ならば、朝までに完全に処理されてしまいますから、二日酔いにもなりませんし、肝臓障害を起こすことはありません。
ところが、お酒を大量に、そして長い間飲んでいると、徐々に肝臓障害が進行してきます。
アルコール性肝障害で一番多く起こるのは肝脂肪です。
肝脂肪とは、細胞中に中性脂肪がたまってきた状態を言います。
肝脂肪そのものは、体がなんとなくだるいとか、食欲がなくなるという程度の症状で、ここでお酒をやめると、肝臓はもとの状態に戻りますが、さらに飲み続ければ、肝臓内にコラーゲンという蛋白質の硬い糸が少しず
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